私は1980年代生まれ。そのため、80年代の記憶は語るほどはない。
記憶のなかで初めて見た巨人戦中継はかろうじて後楽園球場だったが、
大洋はともかく、オリオンズであったり、阪急・南海は覚えがない。

ただし、私に限らず野球について知識をつけ出すと80年代の野球界
にやたら詳しくなる傾向がある。以前から「何故80年代なのか?」
という疑問がわいていたが、本書を読んでて、答えが少しわかった。

本書は80年代プロ野球を100のテーマで振りかえるといったもの。
打者、投手成績といったところから、ライバル関係、ファッション、
メディアといったところまで非常に幅広く取り上げられている。
あと、選手紹介でカルビー野球チップスカードを使ってて面白い。

80年代は巨人軍V9時代と後に続いた第1次長嶋政権が終わり、
プロ野球=長嶋茂雄≒巨人軍という構図が薄れてきた時代である。
(王さんも80年に現役を退いており、ON時代の終焉ともいえるか)

同時に堤義明氏がオーナーを務める西武ライオンズが広岡監督の
指導のもと、非常に強いチームを作り、83年日本シリーズで巨人
を倒し、常勝軍団を名実ともに球界に名を知らしめた。本書から
読んでいくと、この時代から巨人(もしくは対巨人)から多角的
な見方ができるようになったのではないかと。

また、上とも連動してくれるが、本書でも取り上げられている
野球番組、ゲームなどのヒットも80年代にはじまっていることが
特筆される。あの「プロ野球ニュース」と「珍プレー好プレー」が
始まったのもこの頃。テレビ中継が皆無のパ・リーグの個性的な選手
たちが脚光を浴びるようなったことを考えれば、名誉だなんだという
ことを差し引いても功罪はイーブンだと私は思うのだが。。。

少なくとも、露出の機会が非常に多彩だったことがうかがい知れる。
私が野球人気の復活に向けて提言するならプロ野球ニュースの地上波
復活と珍プレー好プレーの再開をまず述べたいところである(笑)

Jリーグ、総合格闘技、フィギュアスケートなど競合するスポーツ興行も
なく(相撲はあったが)、揺るぎのない「King of Sports」の座に君臨
していた大らかな時代、それが80年代プロ野球の風景ではないか。

球団の緩慢な姿勢はともかく、良い意味での「大らかさ」が足りないか。
「珍プレー好プレー」見た次の日に学校でワイワイ話すのだって、立派な
露出であり、世間へのアピールだと思う。そういう発想が必要ではないか。


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