最近、NYで「ストーリーテリング」という催しが流行っているとか。
ストーリーテリングとは、アメリカでは協会組織も大会もあるそうで
あらかじめ決められたテーマをもとに、体験談を告白するという催し。
(何でも、高い評価を受けた人は自叙伝を出版するに至ったとか)

NHKの番組で見た催しの雰囲気は、何となく朗読劇のソレに近かった。
朗読もまた、実際の動きがあるわけでもない。しかし、観客の中では
イメージが共有されていく。観客と演者の独特の一体感はとても良い。
ナレーションとは異なる「語り」、それが声の演技ではないかと思う。

声の演技で観客を魅了するのが声優だが、私は声優の原点は「活弁士」
にあるのではないか、と考えたことがある。サイレント映画に声を入れる
活弁士という職業は日本特有の職業で、その全盛期もトーキーの普及と
ともに衰退していったとか。日本でも現在活動する方は少ないとか。

そんな中、活弁士の姿を現代に伝えるのが山崎バニラさんである。
バニラさんといえば独特の声質、銀のおかっぱと大正琴がトレード
マーク。私は彼女を初めて知ったのが、日テレの深夜の映画番組で
あったが、そのインパクトは目が覚めるほど。今も会社の食堂で
金曜バラエティが放送してると、すぐ眼につく。。

前置きがやたら長くなったが、本書はバニラさんの自伝的な内容。
彼女がいかにして活弁士となり、現在のスタイルを確立したのか。
また、サイレント映画の魅力とは?幼い頃はどんな少女だったのか?
知っているようで知らない彼女について、知ることができる1冊。

早稲田のミュー研出身、過去に牛ちゃんマンボでCDデビューといった
異色の経歴の謎も知ることができた。あと、ホームメイド感が溢れた
バニラさんの周辺機器はやはりDIYか(大学教授のお父様、スゴイ)。

バニラさんのプロフェッショナリズムなところ、お茶目なところの
双方を楽しむことができる。そこが愛すべきキャラの原点だろうね。

また、独演会に足を運びたいなぁ。

なお、百聞は一見にしかず。付録のDVDでダイジェストながら活弁を
見ることができる(ロイド・チャップリン・日本の戦前アニメの3つ)。

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