キャピタリズム マネーは踊る
2010年1月9日 映画
押井監督の最新作「アサルトガールズ」や「アバター」も気になって
いたのですが、今日はマイケル・ムーア監督の「キャピタリズム」を
見てきた。丁度、今日から放映劇場が拡大して、新宿でも見れたので。
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タイトル通り、本作のテーマは「キャピタリズム(=資本主義)」である。
一昨年、米国発の金融危機および世界同時不況が世界経済を直撃した。
経済が苦手な筆者はこの機会を通じて、米国の金融機関事情について、
知りえることができた。最近は仕事で、定期的に米国の金融専門誌を
読む機会も増えてきたので、ようやく全体像というのがわかってきた。
また、NHKスペシャルで「マネー資本主義」が昨年放送されたことで、
80年代以降の米国経済と金融業界の変遷についても学ぶことができた。
こうした部分的に学んできたものの取りまとめとしても本作は非常に
見ごたえのある内容であった。金融を学ぶ人には是非とも見てもらいたい。
初期のムーア作品のテーマは元をただせば80年代のレーガン政権以降の
ウォール街の暗躍が遠因となっている(ロジャー・ミーやビッグワン等)。
これまでアメリカという国が抱える問題点・矛盾を取り上げてきた監督に
とっては、ある意味では原点の源泉となる部分を扱っているのかもしれない。
アメリカは「世界一の経済大国」。私も小学生のころから学んできた。
しかし、その格差は異常なものである。考えてみれば、あれだけの金融
危機を起こした張本人である金融機関の経営陣は、未だ高額報酬を得てる。
一方、市中には、ずっと暮らしてきた家を差し押さえられた人たちの姿が
増え続けている。どっちが被害者で加害者なのかわからない、おかしすぎる。
危機前から問題になったサブプライムローンやクレジットカード問題も
そうであった。充分な支払い能力を有していない多くの人たちに、業者は
無責任に押しつけてきた。FRBや監督機関は彼らを見過ごし、後押しする
ことすらあった。それもそのはず。行政の中心に投資金融機関の出身者で
固められ、多くの有力議員がロビーを受け、VIP待遇を受けているからだ。
金融派生商品の存在は一種の賭けに近く、リスクを多く抱えるもの。
そんなものが市場で多く売買され、結果、金融危機を引き起こしたのだ。
公的資金注入の法案は日本でも話題になったが、そうした金融機関を救う
ための法律。なぜ国民の税金でわざわざ肥えた猫を救う必要があるのか?
金融機関が統治する国家、それが20世紀末から現在までのアメリカである。
オバマ大統領が就任以降、横暴な権力者に立ち向かう国民の動きが出てきた。
ムーア監督自身、映画の終盤で国民1人ひとりの行動を促している。
この問題はTo Be Continuedであり、むしろ今後が大切な部分である。
日本も対岸の火事とはいえず、金融機関や業者を今後どのように監督を
していくのか、という議論はアメリカの帰省が大きく関係してくるから。
今後もアメリカを見ていく1つの視点として注視していくべきところだ。
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あと、内容について言えば、ムーア監督らしいというか米国ドキュメンタリー
映画らしいというのか、映像素材と音楽の使い方が絶妙だった。内容が真面目
な一方で、そうした崩しでは笑いが聞こえる。ムーア監督のセンスはやはり好き。
いたのですが、今日はマイケル・ムーア監督の「キャピタリズム」を
見てきた。丁度、今日から放映劇場が拡大して、新宿でも見れたので。
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タイトル通り、本作のテーマは「キャピタリズム(=資本主義)」である。
一昨年、米国発の金融危機および世界同時不況が世界経済を直撃した。
経済が苦手な筆者はこの機会を通じて、米国の金融機関事情について、
知りえることができた。最近は仕事で、定期的に米国の金融専門誌を
読む機会も増えてきたので、ようやく全体像というのがわかってきた。
また、NHKスペシャルで「マネー資本主義」が昨年放送されたことで、
80年代以降の米国経済と金融業界の変遷についても学ぶことができた。
こうした部分的に学んできたものの取りまとめとしても本作は非常に
見ごたえのある内容であった。金融を学ぶ人には是非とも見てもらいたい。
初期のムーア作品のテーマは元をただせば80年代のレーガン政権以降の
ウォール街の暗躍が遠因となっている(ロジャー・ミーやビッグワン等)。
これまでアメリカという国が抱える問題点・矛盾を取り上げてきた監督に
とっては、ある意味では原点の源泉となる部分を扱っているのかもしれない。
アメリカは「世界一の経済大国」。私も小学生のころから学んできた。
しかし、その格差は異常なものである。考えてみれば、あれだけの金融
危機を起こした張本人である金融機関の経営陣は、未だ高額報酬を得てる。
一方、市中には、ずっと暮らしてきた家を差し押さえられた人たちの姿が
増え続けている。どっちが被害者で加害者なのかわからない、おかしすぎる。
危機前から問題になったサブプライムローンやクレジットカード問題も
そうであった。充分な支払い能力を有していない多くの人たちに、業者は
無責任に押しつけてきた。FRBや監督機関は彼らを見過ごし、後押しする
ことすらあった。それもそのはず。行政の中心に投資金融機関の出身者で
固められ、多くの有力議員がロビーを受け、VIP待遇を受けているからだ。
金融派生商品の存在は一種の賭けに近く、リスクを多く抱えるもの。
そんなものが市場で多く売買され、結果、金融危機を引き起こしたのだ。
公的資金注入の法案は日本でも話題になったが、そうした金融機関を救う
ための法律。なぜ国民の税金でわざわざ肥えた猫を救う必要があるのか?
金融機関が統治する国家、それが20世紀末から現在までのアメリカである。
オバマ大統領が就任以降、横暴な権力者に立ち向かう国民の動きが出てきた。
ムーア監督自身、映画の終盤で国民1人ひとりの行動を促している。
この問題はTo Be Continuedであり、むしろ今後が大切な部分である。
日本も対岸の火事とはいえず、金融機関や業者を今後どのように監督を
していくのか、という議論はアメリカの帰省が大きく関係してくるから。
今後もアメリカを見ていく1つの視点として注視していくべきところだ。
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あと、内容について言えば、ムーア監督らしいというか米国ドキュメンタリー
映画らしいというのか、映像素材と音楽の使い方が絶妙だった。内容が真面目
な一方で、そうした崩しでは笑いが聞こえる。ムーア監督のセンスはやはり好き。
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