■ 第1戦 野村克也『負けに不思議の負けなし』(完全版)
http://81367.diarynote.jp/200903301553209607/
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明日、MLBも開幕。私としては世界一を目指すヤンキースを今年も応援。
そして、復活を期す松井元師匠、大リーグ挑戦の上原の動向は目が離せない。
ということで、野球書評10番勝負の第2戦は大リーグものをチョイスする。

本書の筆者は松井の大リーグ挑戦の際に、松井がヤンキースに連れてきた人物。
読売新聞の元記者である筆者は、球団の広報職員となり、松井の取材を目的と
した日本のメディア対応を担当することになる。3年(出版当時)の経験の中で
筆者の施した取材対応の工夫、ヤンキースで知った様々な広報・イメージ戦略に
ついてを記してある。

丁度、日本の各球団がファンサービスに力を入れ始めたのは05年のロッテ優勝
あたりからだと思う。というのも、ボビー・バレンタイン監督の肝いりで設置
された「企画広報部」の活躍がチームの優勝とともに、非常に光ったからである。

こうした上り調子のときに対して、ジャイアンツは成績の不振と観客動員に伴ってから、
急にサービスに力を入れ始めた感は否めない。母数が減ってから、やってるようでは
正直な話、手遅れなのだ。(もちろん、現在の取り組みもなかなか手が込んでいるが)

余談を挟んでしまったが、ロッテの日本版ボールパークの発想は球界の価値観を変えた。
もちろん本場はアメリカ。本書がケースとして挙げているのは、大人気球団・ヤンキース。
作中には、そのヤンキース球団の人気の秘訣・工夫が随所で取り上げている。


感心すべきは、球団の多岐にわたる社会貢献活動。企業で言うところのCSRか。
どんな人にも愛される球団の在り方をフロント・選手が一丸となってとり進めてる。

もちろん、チケットをもって訪れた観客を勝っても負けても楽しませる球場づくりの工夫も。
特に、メジャーは子供に対する意識が高い。日本の球場にも子供がもっと増えるといいのだが。
前から海外にあって日本にないスタジアムの特色は、社交場としての側面だと改めて感じたり。


そして、広岡氏を通じてわかる、松井選手の人間の大きさ、人格者としての側面。
イチローさん同様、松井は野球選手としてだけでなく、一人の人間として尊敬できる人物だ。

そう、私達(20代後半)はイチローと松井に魅せられた世代なのだ。

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