押井守監督とともに語る新作「スカイ・クロラ」のためのシンポジウム
2008年7月22日
大学の文学部の主催で開催。学校の仕事抜け出して参加する。
ミニダイジェスト(6分)試写と監督と主催学科の教授3人対談。
2時間くらいメモを取り続けたら、メモ用紙10枚分は書いた。
まとめるには時間がかかるのと明日は忙しいので、メモレベルで
走り書き。別記にでも今度、もう少しまとめたのを書こうかと。
===========================
■ 時間や生死という目に見えないものを見せるための戦略とは何か?
→ ロケハンしたアイルランドの独特のオーラが大きなウェイトを持つらしい。
押井監督が映画を作るときに何から発想するかといえば「世界観」だそうだ。
作品のベースとなる風景を考えることからはじめるからロケハンを行ってる。
具体例として宮崎駿氏のカリオストロにおける山岳都市、ラピュタの炭鉱街
を取り上げていたのは少し驚いた。ちなみに押井さんがアイルランドに初めて
行った時は、ラピュタ直後のパヤオさんが全額負担してもらったらしい(笑)
押井監督がアイルランドをイメージしたのは、あの土地が織り成す独特の
時間の感覚だという。物理的な時間はもちろん全世界共通で24時間だが
風雅、文化、地域が織り成す「体感する時間」というのは差異があると述べた。
欧州最西端のアイルランドは、土地や文明が緩やかに沈んでいく「地の果て」
であり、その土地で流れる時間は非常にゆっくりと流れているのだと語っていた。
押井監督が「攻殻機動隊」の時に漠然と考えていた世界観に内包する要素が
実は「時間」という気づきがあり、世界観を描くことが時間をビジュアル化する
ことになることに気づいたそうだ。
押井監督が要所で語っていた大きな戦略の二つ目が「外部の必要性」であった。
それは、作中の物語、ドラマの外部をあえて映し出すことの重要性についてだ。
ここで監督は「アニメーションにおける背景」という部分を語っていた。
キャラ絵とは異なる質感で描かれた背景が何枚も重なることでアニメは作られ、
それは背景とキャストが同居するドラマなどとの大きな違いであると述べていた。
背景が変わることは、場面転換を指し、場面転換は時間操作の初歩ともいえる。
スカイ・クロラではどのくらいの時間経過が行われたか非常に曖昧に感じるという。
まとめとして、本作品において世界観の構成において大きなウェイトを占める
アイルランドという土地は作中の
「主観的な時間経過」と「物語の外部」
を表現するためにセレクトされたということになるそうだ。
=================================
これで3割くらいなのですが、全部起こすと難しいのと、自分でも内容の
交通整理ができていないことに気づいたので、とりあえずはここでいったん区切る。
改めて感じたのが、やはり押井監督は「映画」監督なんだなということである。
アニメ、というより映画論という部分で作品を語っていたりするし、アニメや
実写をマテリアルとして捉えているという発想も非常に印象に残ったりする。
また、物語の「外部性」と「時間」は本作品を語る大きなキーワードとして
非常に欠かせない視点となりえると思った。公開まで2週間だが改めて押井イズム
の深さを感じた。公開が楽しみで仕方ない。本当、イノセンス以来のwktkだ。
ミニダイジェスト(6分)試写と監督と主催学科の教授3人対談。
2時間くらいメモを取り続けたら、メモ用紙10枚分は書いた。
まとめるには時間がかかるのと明日は忙しいので、メモレベルで
走り書き。別記にでも今度、もう少しまとめたのを書こうかと。
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■ 時間や生死という目に見えないものを見せるための戦略とは何か?
→ ロケハンしたアイルランドの独特のオーラが大きなウェイトを持つらしい。
押井監督が映画を作るときに何から発想するかといえば「世界観」だそうだ。
作品のベースとなる風景を考えることからはじめるからロケハンを行ってる。
具体例として宮崎駿氏のカリオストロにおける山岳都市、ラピュタの炭鉱街
を取り上げていたのは少し驚いた。ちなみに押井さんがアイルランドに初めて
行った時は、ラピュタ直後のパヤオさんが全額負担してもらったらしい(笑)
押井監督がアイルランドをイメージしたのは、あの土地が織り成す独特の
時間の感覚だという。物理的な時間はもちろん全世界共通で24時間だが
風雅、文化、地域が織り成す「体感する時間」というのは差異があると述べた。
欧州最西端のアイルランドは、土地や文明が緩やかに沈んでいく「地の果て」
であり、その土地で流れる時間は非常にゆっくりと流れているのだと語っていた。
押井監督が「攻殻機動隊」の時に漠然と考えていた世界観に内包する要素が
実は「時間」という気づきがあり、世界観を描くことが時間をビジュアル化する
ことになることに気づいたそうだ。
押井監督が要所で語っていた大きな戦略の二つ目が「外部の必要性」であった。
それは、作中の物語、ドラマの外部をあえて映し出すことの重要性についてだ。
ここで監督は「アニメーションにおける背景」という部分を語っていた。
キャラ絵とは異なる質感で描かれた背景が何枚も重なることでアニメは作られ、
それは背景とキャストが同居するドラマなどとの大きな違いであると述べていた。
背景が変わることは、場面転換を指し、場面転換は時間操作の初歩ともいえる。
スカイ・クロラではどのくらいの時間経過が行われたか非常に曖昧に感じるという。
まとめとして、本作品において世界観の構成において大きなウェイトを占める
アイルランドという土地は作中の
「主観的な時間経過」と「物語の外部」
を表現するためにセレクトされたということになるそうだ。
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これで3割くらいなのですが、全部起こすと難しいのと、自分でも内容の
交通整理ができていないことに気づいたので、とりあえずはここでいったん区切る。
改めて感じたのが、やはり押井監督は「映画」監督なんだなということである。
アニメ、というより映画論という部分で作品を語っていたりするし、アニメや
実写をマテリアルとして捉えているという発想も非常に印象に残ったりする。
また、物語の「外部性」と「時間」は本作品を語る大きなキーワードとして
非常に欠かせない視点となりえると思った。公開まで2週間だが改めて押井イズム
の深さを感じた。公開が楽しみで仕方ない。本当、イノセンス以来のwktkだ。
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